書籍名 |
34 琉球王国尚家文書「火花方日記」の研究 |
ISBN番号 |
9784898052204 |
販売価格 |
3,960円(税込)
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購入数 |
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麻生伸一、茂木仁史編 琉球国には、花火があった。中国から琉球王の代替わりに訪れる冊封使の宴で、琉球舞踊や組踊とともに首里城の御庭で行われた花火である。だが、どのような花火だったかは、ほとんど知られていない。国宝・尚家文書のうち、大清同治5年丙寅『火花方日記』は、1866年の尚泰王の冊封に関わる花火の文書記録である。このたび、修復作業が済み、ついに彩色・肉筆画の挿絵が掲載される貴重な文書が姿を現した。それは、琉球国とともに消滅してしまった琉球の花火の精密な絵図であり、同時代の中国や日本など、世界の何処にもない、美しい「からくり物」花火だったのである。同日記から、火花仕手(責任者)の三人の士(サムレ−)たちの奮闘ぶりが読み取れる。任命の内示を受け、「お調べ」と称する高位・高官も立ち会う試験が繰り返され、自身のみならず家の名誉を賭けて花火に打ち込む。冊封使一行が渡来してからは、王府の緊張感も高まる中、「仲秋宴」本番を迎える。2019年の「組踊上演300周年」により、琉球国の冊封使を歓待した壮大なおもてなしへの関心が高まっている。この機を捉えて、本書を出版いたします。 A5、上製、270頁 定価(本体3,600円+税) 国立劇場おきなわ・監修/組踊上演300周年記念事業委員会・協賛
〈目次〉
カラーグラビア14頁
「火花方日記」の「華」ともいうべき美しい彩色図版の全てを収録
研究篇
尚家文書の来歴と現状 外間 政明
琉球史における冊封関係の諸相 豊見山 和行
冊封諸宴のなかの花火職人 麻生 伸一
「火花方日記」にみる琉球の花火 茂木 仁史
現代語訳
文書全文を現代語に訳した上で、詳細な訳注を附す
「火花方日記」影印・翻刻編
全文の影印とその翻刻