書籍名 |
30 世界史からみた「琉球処分」 |
ISBN番号 |
9784898051924 |
定価 |
6,380円(税込) |
販売価格 |
6,380円(税込)
|
購入数 |
|
ティネッロ・マルコ著(法政大学 沖縄文化研究所)1879(明治12)年の「琉球処分」は琉球が独立した王国から、帝国へ浮上しようとする日本に呑み込まれ、その独立した政治的位置を失った歴史的事件として琉球史に刻まれている。本書は「琉球処分」へと至る道筋を江戸立ち(江戸上り)をめぐる琉球王府と薩摩藩、幕府の交渉とその変遷から、あるいは又、琉球と米仏蘭の修好条約と締結に至る交渉の中にその予兆を見出し、現実の「琉球処分」(琉球併合)の中で何故にそれらの条約が日本の動きに制約を与える事が出来なかったのかを、西欧列強の対アジア戦略との関連性の中に探り出す。列強は、つまる所、日本による事実上の琉球併合を黙認し、日本の帝国主義化を容認したのだといえる。西欧に残る史料をも活用し、琉球・日本・薩摩・西欧の緊張関係を細かにえぐり出し、「琉球処分」をめぐる議論に新しい視点を提起した注目の書である。尚、10頁のカラーグラビアでは米仏蘭との修好条約原本の全文・他を収載し、読者の本文理解への一助とした。 A5判、上製、360頁(カラーグラビア10頁) 定価(本体5,800円+税)
〈目次〉
第一部 西洋列強に対する琉球・薩摩藩・幕府の対応―「条約締結」を中心に
第一章 琉球使節をめぐる琉・薩・幕関係
第二章 西洋列強の東アジア進出に対する琉球の対応
第三章 琉球に対する幕府の関心の深まり
第二部 「琉球使節の解体」からみる幕末期日本外交の変容―近世から近代
第一章 1858年の琉球使節の延期理由と琉球側の認識
第二章 1860年の琉球使節の延期をめぐる薩摩藩の戦略
第三章 琉球使節の江戸参府から見る幕末期日本外交の変化
第三部 西洋列強の視点からみた「琉球処分」
第一章 日本・英国・米国・仏国の外交文書から見る1872年の琉球併合
―琉米修好条約を中心に
第二章 1878年の東京滞在琉球人による各国公使への請願と米・仏公使の対応
終章 世界史から見た「琉球処分」―西洋列強が果たした役割の歴史的な意義