榕樹書林

35 琉球沖縄仏教史

Category : 琉球弧叢書

書籍名 35 琉球沖縄仏教史
ISBN番号 978-4-89805-230-3
定価 4,950円(本体4,500円、税450円)
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知名定寛(神戸女子大学教授)著 琉球沖縄の宗教を語る時、往々にして民俗宗教の側面のみが取り上げられ、その仏教的側面は無視あるいは軽視されてきたことは否めない事実である。それゆえに仏教史を正面から取り上げた本は少なく、通史としては名幸芳章の『沖縄彿教史』のみであった。本書の著者知名定寛教授は1994年に『沖縄宗教史の研究』、2008年には『琉球仏教史の研究』を上梓し、仏教史研究を琉球沖縄史研究の重要なファクターに押し上げ琉球史に彩りを与えることとなった。今まで埋もれていたままになっていた史料を再発掘し、又、全く新しい史料を発見・提供し、更に民俗宗教の装いの中に隠れている仏教の影に照明をあて、様々な民衆の芸能や行事の再検討を促してきた。それらを通して一般に思われているよりはるかに広く深く仏教が沖縄社会の中に入り込んでいることを論証してきた。本書はそれらの研究を踏まえ、琉球沖縄の仏教を通史的に概観してみようという試みである。そのことによって仏教の沖縄社会の中の位置を明らかにすると共に、何ゆえに又、傍流に追いやられることになったのかも浮かび上がらせることになるだろう。そして戦後における仏教再興の基礎を見いだすことになるだろう。本書は仏教史を琉球沖縄史の中に確固として位置づけ、琉球沖縄史像の新しい一章を切り開くものと確信する。 A5判、上製、270頁 定価(本体4,500円+税)

〈目次〉

〜古琉球篇〜

まえがき

第一章 仏教の伝来と浦添
   一 場所と時期
       仏教伝来と英祖王/極楽寺への参詣路/極楽寺の創建時期/残された謎
   二 尚巴志王と仏教
       仏教興隆前史/外交文書と報恩寺/
       尚巴志王時代に一〇ヶ寺/王国経営の官僧・官寺
   三 浦添ようどれの石厨子
       浦添ようどれの調査/石厨子と浄土教信仰/
       地蔵信仰もセットに/石厨子の製造時期

第二章 第一尚王家と仏教
   一 梵鐘が語る仏教事情
       数多くの梵鐘/梵鐘が語る歴史/梵鐘鋳造師
   二 仏教興隆の背景
       対日交易と禅僧/外交僧芥隠の登場/
       禅僧のネットワーク/環東シナ海仏教文化圏と中山国
   三 尚巴志王の仏教信仰
       禅宗と浄土教信仰/血で血を洗う統一/尚巴志王の仏教信仰
   四 尚泰久王の仏教事業と信仰
       尚泰久王の仏教事業/天界寺の創建/尚泰久王の即位と戦乱/
       棚から牡丹餅の裏事情/尚泰久王の負い目/施餓鬼・亡霊・鎮魂
   五 天界寺の完成と尚徳王
       天界寺の不思議/未完成の天界寺/万全な建立準備/
       天界寺創建と護佐丸・阿麻和利の乱/万国津梁の鐘は天界寺の梵鐘か/
       尚徳王の大蔵経求請/大蔵経への期待
   六 第一尚王家の滅亡と仏教
       不自然な尚徳王の死/尚徳王・金丸・芥隠/梵鐘銘文作者渓隠安潜

第三章 第二尚王家と仏教王国
   一 尚円王と芥隠
       尚円王の仏教事業/天王寺は誰の創建か/崇元寺は誰の創建か/
       龍福寺・芥隠・鎮魂/安国寺は誰の創建か/第二尚王家最初の創建寺院

   二 尚真王の仏教事業
       尚真王即位の立役者/中央集権化政策と仏教/仏教の社会的普及
       仏教王国の出現/王権儀礼と仏教

   三 僧侶と社会
       僧侶の数/遍歴修行/鶴翁の見た琉球仏教/智行兼備の菊隠と天叟/
       名僧は輩出せず/首里・那覇と地方の落差/民衆救済の欠如

第四章 真言宗と浄土宗の進出
   一 日秀の民衆救済と護国寺
       日秀の民衆救済/真言宗の伝播と護国寺/護国寺の発展/
       大安寺と護国寺/熊野権現信仰の伝播

   二 袋中の庶民教化と念仏
       袋中と念仏/念仏とは/誤解された念仏/袋中の教え

第五章 古琉球王国の終焉と薩摩の仏教政策
   一 薩摩の侵略と仏教界
       対外交易事情の変化/薩摩との関係/薩摩の侵略と仏教界の苦難
   
   二 仏教の受難
       六〇年前の仏教風景/寺院の焼き討ち/菊隠の三司官就任

   三 薩摩の仏教政策
       「掟一五ヶ条」/仏教復興への動き/
       一向宗の禁制と説法の禁止/修行地の制限

〜近世・近代編〜

第一章 向象賢の王国再建と仏教
   一 向象賢の仏教政策
       儒教思想の導入と真言宗/寺院知行高の削減/政治的影響力の遮断

   二 向象賢と真言宗との関係
       真言宗寺院の数/禅宗寺院を真言宗に改宗/
       万寿寺の改宗/神応寺と聖現寺の改宗

   三 向象賢路線への反動
       向象賢の想い/向象賢以後の寺院修復/仏教保護の復活

第二章 近世二宗体制の成立
   一 仏教から儒教への転換
       勧進・托鉢の禁止/仏教界の抵抗/王府の仏教政策/
       先王祭祀改編と寺院/儒教の台頭

   二 蔡温の仏教政策
       蔡温の仏教認識/蔡温の仏教政策/禅宗と真言宗の役割固定化/
       隠居僧の待遇改定/地方からの出家禁止/僧侶の身分/修業年限の制定

第三章 僧侶の公務と日常のお勤め
   一 護国奉仕の勤行
       官僧のお勤め/怪異現象の祈祷/内憂外患の祈祷

   二 公務以外のお勤め
       禅僧の場合/洗骨と仏教/士族子弟の教育係/
       真言僧の場合/多忙な真言僧

   三 「近世仏教堕落論」の見直し
       先行研究の近世仏教評価/僧侶と囲碁/寺院庭園での花見
       僧侶の社会的信頼/龍洞寺住職心海の就職斡旋/
       近世仏教の評価見直し/伊波普猷の根拠(提示史料)

第四章 庶民と仏教
   一 葬儀と庶民仏教の展開
       庶民の葬制と仏教/仏式葬具の地方普及/
       龕の地方普及/ニンブチャーと葬儀

   二 弥勒信仰の琉球的展開
       ミルクと弥勒信仰/「おもろ」に謡われたみるく/
       寺院安置の弥勒/禅宗の弥勒信仰と布袋/ミルク信仰と福神信仰

   三 エイサーと盂蘭盆芸能
       エイサーの変化/エイサーの呼称は「念仏」/ミルクウンケーも念仏/
       念仏の規制/古琉球時代の念仏/念仏の禁止/念仏と儒教/
       家々巡廻/禁止も何のその/座間味島阿佐の念仏/
       エイサーの成立/風俗改良運動の影響

   四 浄土真宗の救いと法難
       禁止された宗旨/琉球最初の信者/別ルートの中山国尼講/布教の実態/
       信心の内実/第一次法難事件/知念らの本山参詣/第二次法難事件/
       王府の対応と外患/第三次法難事件と「琉球処分」/布教活動と探索/
       拘引開始と処罰/東本願寺と琉球藩庁の交渉/尚泰王を提訴/
       木梨精一郎の策略/処罰撤回・真宗解禁・「琉球処分」

第五章 明治以降の仏教展開
   一 王国崩壊後の二宗
       尚泰王の時代/禅・真言二宗体制の消滅/寺院の廃絶/廃絶の原因
   二 新仏教の進出
       二宗に対する田原法水の叱咤激励/浄土真宗の伸張/
       戦前・戦後の寺院と僧侶

あとがき/参考文献/索引


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